2003-01-01から1年間の記事一覧

照屋華子『ロジカル・シンキング』(東洋経済新報社) ついに就職活動を意識した読書!マッキンゼーの人が書いたらしい、とか聞いて読んでみた。読後感としては、まぁわりかしロジカル・シンキンングできてる方なんじゃねーのかな、と。勝手にそう思い、勝手…

ジョン・マックスウェル・クッツェー『恥辱』(みすず書房) ノーベル文学賞受賞。この作品はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカ、この後受賞するケルテース・イムレはホロコースト、ノーベル文学賞にはなんか政治臭が付きまとう。国内メディアでもノーベル文…

ウラジミール・ナボコフ『ベンドシニスター』(みすず書房) 技巧の極地。水溜りのイメージの繋がりとか映画にしたら面白いかも。ナボコフの品切れ本の中でも最も問い合わせが多い本らしい。ナボコフと言えば「文学講義」シリーズを復刊して欲しいのだけど・…

沢木耕太郎『深夜特急3』(新潮文庫) 420円で世界旅行。あぁ、旅ってのは良いもんだな。そろそろ就活がー、てな時期だったな。 アントニオ・タブッキ『フェルナンド・ペソア 最後の三日間』(青土社) 記念すべき240冊目は大当たり。ポルトガルが生んだ…

堀江敏幸『子午線を求めて』(思潮社) 少し理屈っぽすぎる印象。もう少しこなれてくると良いと思うんだが。期待してるんだけど。と思っていたらこの後の作品で見事期待に応えてくれた。

内田百間『内田百間集成14 居候匆々』(ちくま文庫) 挿し絵も可愛い。何の教訓も含まれていない童話、なかなかシュールだ・・・。百間唯一の童話集。

沢木耕太郎『深夜特急2』(新潮文庫) 気軽な気分転換読書には最適。旅の疑似体験もできるし。詩人としての金子光晴ではなく、旅人としての金子光晴の存在を知る。どうしても金子光晴の紀行文シリーズが読みたくなって、後に金子光晴全集を入手してしまうの…

イタロ・カルヴィーノ『柔かい月』(河出文庫) 一部が一番面白かった。科学と小説の融合。カルヴィーノは作品ごとにガラッと変わるなぁと思っていた、この頃は。

ホメロス『イリアス 下』(岩波文庫) トロイ戦争のなかばで終わるとは!?木馬とか出てくるんだとてっきり思ってました。オデュッセイアも近い内読もう。

ホメロス『イリアス 上』(岩波文庫) こんなに面白いとは思わなんだ。よくできてるなぁ。神と人間の間に英雄がいて、彼らは神の子供だったりする。神々はみんな自分のひいきの英雄を応援するから戦争ともなると見えない所で神々も入り乱れての戦争になる。…

沢木耕太郎『深夜特急1』(新潮文庫) 毎週課題に追われて、就職活動は現実の問題になり、まぁ何もかもだるーくなったけれど、旅行に行ってリフレッシュする訳にもいかず・・・。そんな状況に最適だったのがこの本。普通に面白くて期待以上に気が紛れた。本…

『千一夜物語 20』(岩波文庫) どんなに回を重ねても相変わらずのお話。つまらないのではない。いつまでもこんな感じで良いのだ。無人島に持っていくなら、これかしらね。 泉鏡花『泉鏡花短編』(岩波文庫) 夢幻的な雰囲気、腰を落ち着けて読みたい。雀…

多分そろそろ就職活動 このころはそろそろ始まってたかもしれない。P&Gのインターンに申し込んでみたり。筆記てこういうもんかぁ、てな感じで一安心したけど、もう1年たったのか、早いな。日テレは出さなかったからホントそれくらいしかしてなかったはず…

出久根達郎『古本夜話』(ちくま文庫) 古本にまつわる小話。ちょっと良い話、てな感じ。いやぁ、古本屋って良いですよね。頑固親父とか多そうだけど。 辻征夫『現代詩文庫 辻征夫詩集』(現代詩文庫) なかなか本当に良い詩人というものはいないもんだ。そ…

マルセル・プルースト『失われた時を求めて 6』(ちくま文庫) ホモとレズの話。年内に読みきりたいけど、とか言ってたけど、1年たってもこれ以降1冊も読んでない。面白い事は面白いんだけどなぁ。ISBN:4480027262

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ 2』(集英社文庫) 意識の流れの部分のコツをつかんでくるとぐっと読みやすくなる。やはりオデュッセイア読もう。註多すぎ。でも文庫で読めるなんて良い時代だよなぁ。集英社、えらい。

ジャン・コクトー『大胯びらき』(河出文庫) 比喩というか、形容が素晴らしいんだな、と思ったり。澁澤龍彦の初翻訳作品でもある。

安藤元雄『現代詩文庫 安藤元雄詩集』(思潮社) 「なかなか良かった。琵琶の種。」という当時の一行感想が。関係ないけど安藤元雄が訳した『悪の華』がもっとも読みやすいと思う。

鷲田清一『キモチノイイ話』(思潮社) まぁ今となってはそこまで感動しないが、へぇっていう程度の驚きはある。こういう本を高校生は読むべきだ。面白がってくれるんじゃないかしらん。 ISBN:478371598X

佐々木敦『ex/music』(河出書房新社) ほとんど知らない人たちばかりだけど刺激的。音楽も面白いよなぁ。ノイズのもホント面白い。金欲しい。そして買い漁りたい。河出書房ってこんな本も出していて本当に素敵な出版社だな。

シャルル・ソレル『フランシヨン滑稽物語』(国書刊行会) その過激な思想と奔放な性表現ゆえに、発表当時焚書になった禁断の書物と、言う割にはそんなに面白く無かったような。高かったんだけどなぁ・・・。なんと言うか文体が好みじゃないのかも。でも読み…

谷崎潤一郎『谷崎潤一郎全集 17 幼少時代・鍵 ほか』(中央公論社) なんと言っても鍵が良い。久しぶりの谷崎体験に大満足。彼の文学には思想がないとか言われるけれど、それで良いのです。というか、それが良いのです。新潮文庫版なら『瘋癲老人日記』と…

『吉田健一頌』(水声社) 吉田健一は大変素晴らしいと思う。敬愛する作家吉田健一について、丹生谷貴志、松浦寿輝、四方田犬彦、柳瀬尚紀の4人が語る。四方田犬彦の文章が良かった。変化とは同一性の持続。愛書家の卵は吉田健一と出会い神保町へ誘われる。…

『千一夜物語 19』(岩波文庫) 三田祭の作品制作や某塾の猛烈な課題に追われて読書する時間は激減。考えてみれば毎週コピー100本とか、なかなか刺激的な日々だったよなぁ。寝てる時以外は常に頭フル回転の日々。頭ってのはこうやって使うんだよ、と有…

『千一夜物語 18』(岩波文庫) 「アラジンと魔法のランプ」収録!ついに13巻版が再版されたのでこれを機にもってない人は揃える事をお勧め。これほど面白い本もなかなかないと思います。

ケルテース・イムレ『運命ではなく』(国書刊行会) 後書きにも書いてあるけど普通のユダヤ迫害小説とは確かに違う。2002年度ノーベル文学賞受賞作品と言う事で読んではみたけれど、僕にはそれほど面白くない。まぁテーマがテーマだけに感動する人も多い…

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ1』(集英社文庫) ついに『ユリシーズ』が文庫化。集英社ヘリテッジシリーズは偉い!『フィネガンズ・ウェイク』の挫折がトラウマになっているので恐る恐る読み始めたけれど、これは普通に読めるので一安心。いつかまたフ…

田村隆一『現代誌文庫 田村隆一詩集』(思潮社) かっこいいなぁ、と思ってしまう。ホントに言葉がカッコイイ。とりあえず詩を読み始める入門に最適なのではないだろうか。難しい事を抜きにして、言葉の格好良さにシビレル所から始めてみるのは悪くない。ち…

フランソワ・トリュフォー『ヒッチコック 映画術』(晶文社) 映画について書かれた本の中で最も美しい本。必読。ためになった。作品ごとに回想しているので、これを読み、ヒッチコックの該当作品を見る。この繰り返しから得られるものは非常に大きい。全映…

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』(河出文庫) マルコ・ポーロがフビライ汗の寵臣となって、さまざまな空想都市(巨大都市、無形都市など)の奇妙で不思議な報告を描く幻想小説の極致。もはや詩に近いとも言える。良かった。そして毎回作風をガラッと変…