2003-04-01から1ヶ月間の記事一覧

吉田喜重『鏡の女たち』 恵比寿で見る。喜重の遺作になるであろう作品。なかなかの出来。T君の映画に似ていた。小道具使いがうまい。よかった。有終の美を飾れた感じ。篠田正浩『スパイ・ゾルゲ』はうんこだったし、鈴木清順も『ピアストルオペラ』が最後だ…

『千一夜物語 10』(岩波文庫) 船乗りシンドバッドの冒険収録。アラーを信じているものには救いがあると言うパターンのお話が多いのだけれどもそれほど説教くさく感じないのは登場人物が皆人生を楽しんでいるからか。歌い、踊り、美しい庭園に遊び、うま…

私の記憶が確かならば、この日、『鏡の女たち』をみた後、京都出身T君と夜行バスで京都へ旅立つ。

マルセル・プルースト『失われた時を求めて 4』(ちくま文庫) このちくま文庫版は井上訳。最新の鈴木道彦訳の評判がよろしいようだけれども、何となく井上訳に愛着がある。鈴木訳は確かに読みやすいけれども読みやすくするために文章を途中でぶちぶち切っ…

ジョン・ケージ『小鳥たちのために』(青土社) 現代音楽に興味があるなら読んで損は無いはず。別に鳥についての本じゃない。浪人中に勧められて色々と回り道をしたけれどもついに読了。音楽とは何か?音楽観が広がる1冊。とにかくケージの作品を色々聴いて…

金井美恵子『現代詩文庫55 金井美恵子詩集』(思潮社) 裏表紙の著者近影が衝撃的に若いし、収録されているのも若かりし頃の作品で詩の他に小説も収録されているのだが、『マダム・ジュジュの家』の前半は若い女のこの感じがぷんぷんするし、以下に引用す…

蓮實重彦『文学批判序説』(河出文庫) 文芸批評家としての位置を決定的にした著作、らしい。映画批評から入った身としては、映画批評の文学バージョン、と言った趣きで軽い気持ちで楽しめる。とりあえずこれを読んで後藤明生『挟み撃ち』が無性に読み返した…

内田百間『内田百間集成5 大貧帳』(ちくま文庫) 百間先生の貧乏ぶりが分かる本。しかし独特の理屈で借金しても開き直る。本書に限らず借金にまつわる話はよく出てくるが、百間の金銭感覚や貧乏の開き直りっぷりが実に痛快。飄々とした百間の性格がよく出…

吉増剛造『吉増剛造詩集』(思潮社) 吉増剛造との出会いは彼が自作の詩「石狩シーツ」を朗読したCDを友達に借りたことがきっかけだった。衝撃以外の何ものでも無い。そして、最も手に入りやすい現代詩文庫の本書も期待を裏切らない素晴らしさ。言葉が疾走…

シェリー『シェリー詩集』 なーんかいまいちピンと来ない。現代詩の方がピンと来る。まーそういうこともあるわな。その内読み返すこともあるだろう。「冬来りなば、春遠からじ」の詩人らしい、と聞いた。

チャールズ・ディケンズ『デヴィッド・コパフィールド 5』(岩波文庫) ついに読了。波瀾万丈小説も大団円。まぁよく考えるな、とは思う。荒涼館よりはグチャグチャしてなかった。やはり小学校高学年〜中学くらいで出会うと楽しいだろうな。 西脇順三郎『西…

吉岡実『現代詩文庫14 吉岡実詩集』(思潮社) 昭和後期最大の詩人とも言われる吉岡実。『サフラン摘み』や『薬玉』と言った詩集の評価が高い。装丁も美しくいつか買いたい。その言葉は剃刀のように鋭利にして陰美。ISBN:4783707138 2 四人の僧侶 めいめ…

チャールズ・ディケンズ『デヴィッド・コパフィールド 4』(岩波文庫) しかしまぁこれだけ色々起きるのは凄いと言えば凄い。物語は二転三転、ハラハラ、どきどき?ちなみに文庫版に収録されている挿し絵は結構可愛い。もっと大きく収録されている物で見て…

チャールズ・ディケンズ『デヴィッド・コパフィールド 3』(岩波文庫) 極めて気楽に気楽に読めるけれども。。対象年令低め。中学生で読むと楽しかったかも。きっとその頃に読んだら夢中になって読んで、もう少しディケンズは特別な存在になったのかも。特…