2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シャルル・ソレル『フランシヨン滑稽物語』(国書刊行会) その過激な思想と奔放な性表現ゆえに、発表当時焚書になった禁断の書物と、言う割にはそんなに面白く無かったような。高かったんだけどなぁ・・・。なんと言うか文体が好みじゃないのかも。でも読み…

谷崎潤一郎『谷崎潤一郎全集 17 幼少時代・鍵 ほか』(中央公論社) なんと言っても鍵が良い。久しぶりの谷崎体験に大満足。彼の文学には思想がないとか言われるけれど、それで良いのです。というか、それが良いのです。新潮文庫版なら『瘋癲老人日記』と…

『吉田健一頌』(水声社) 吉田健一は大変素晴らしいと思う。敬愛する作家吉田健一について、丹生谷貴志、松浦寿輝、四方田犬彦、柳瀬尚紀の4人が語る。四方田犬彦の文章が良かった。変化とは同一性の持続。愛書家の卵は吉田健一と出会い神保町へ誘われる。…

『千一夜物語 19』(岩波文庫) 三田祭の作品制作や某塾の猛烈な課題に追われて読書する時間は激減。考えてみれば毎週コピー100本とか、なかなか刺激的な日々だったよなぁ。寝てる時以外は常に頭フル回転の日々。頭ってのはこうやって使うんだよ、と有…

『千一夜物語 18』(岩波文庫) 「アラジンと魔法のランプ」収録!ついに13巻版が再版されたのでこれを機にもってない人は揃える事をお勧め。これほど面白い本もなかなかないと思います。

ケルテース・イムレ『運命ではなく』(国書刊行会) 後書きにも書いてあるけど普通のユダヤ迫害小説とは確かに違う。2002年度ノーベル文学賞受賞作品と言う事で読んではみたけれど、僕にはそれほど面白くない。まぁテーマがテーマだけに感動する人も多い…

ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ1』(集英社文庫) ついに『ユリシーズ』が文庫化。集英社ヘリテッジシリーズは偉い!『フィネガンズ・ウェイク』の挫折がトラウマになっているので恐る恐る読み始めたけれど、これは普通に読めるので一安心。いつかまたフ…

田村隆一『現代誌文庫 田村隆一詩集』(思潮社) かっこいいなぁ、と思ってしまう。ホントに言葉がカッコイイ。とりあえず詩を読み始める入門に最適なのではないだろうか。難しい事を抜きにして、言葉の格好良さにシビレル所から始めてみるのは悪くない。ち…

フランソワ・トリュフォー『ヒッチコック 映画術』(晶文社) 映画について書かれた本の中で最も美しい本。必読。ためになった。作品ごとに回想しているので、これを読み、ヒッチコックの該当作品を見る。この繰り返しから得られるものは非常に大きい。全映…