2003-04-05 ■ 読 吉岡実『現代詩文庫14 吉岡実詩集』(思潮社) 昭和後期最大の詩人とも言われる吉岡実。『サフラン摘み』や『薬玉』と言った詩集の評価が高い。装丁も美しくいつか買いたい。その言葉は剃刀のように鋭利にして陰美。ISBN:4783707138 2 四人の僧侶 めいめいの勤めにはげむ 聖人形をおろし 磔に牝牛を掲げ 一人が一人の頭髪を剃り 死んだ一人が祈祷し 他の一人が棺をつくるとき 深夜の人里から押しよせる分娩の洪水 四人がいっせいに立ちあがる 不具の四つのアンブレラ 美しい壁と天井張り そこに穴があらわれ 雨がふりだす 詩集『僧侶』より「僧侶」抜粋