落語
「お若伊之助」はお若さんが伊之助を思うあまり狸に化かされるちょっと変な話。でもストーリーはどうでもよくて、頭が師匠と伊之助の間を往復して双方の言い分を聴くシーンが最高。「三枚記請」は女にあんただけよ、と言われてコロリとだまされた3人のお話。声音ひとつで登場人物を演じ分けちゃうのだから凄いですな。『談志百席』は聴いていて勉強になるかもしれないが落語自体はイマイチ。スタジオ録音ってのも微妙。それに比べると枝雀のライブはパワフルでおもしろい。見栄はって豪商のふりをしたおかげで、なけなしのお金で富くじを買うはめになる「高津の富」は枝雀の芸風と見事にマッチしている印象。はったりのバカバカしさや大げさなリアクションはさすが。「寝床」はへたくそな義太夫を語りたがる旦那と店子の攻防。志ん朝の方が番頭の言い訳や旦那のいじけぶりがうまいなぁ。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを い「三枚起請」「お若伊之助」 枝雀落語大全(1) 立川談志「談志百席」古典落語CD-BOX 第一期