佐々木悛尚『グーグル―既存のビジネスを破壊する』(文春新書)
『Web進化論』より平易にグーグルの何がどう凄いのかが書いてある。これを読んでから『Web進化論』を読むとよりわかりやすいのかもしれない。グーグルの人達は人の介在による編集の力なんてこれっぽっちも信じちゃいないんだろうな。各ユーザーに最適化された情報を提供する事はすべてプログラムでできる、と信じている。で、実際そう言う事ができてしまいそうな勢いで世の中どんどん変化してきている。Webだろうが、雑誌だろうが、面白いもん作るには「編集」する力が大切。(だからWeb時代が来たって編集者は生き残るのさ)なんていうのが出版人の来るべき未来に対する拠り所、だったりする訳ですが、グーグルはそんなもん信じちゃいないんでしょうね。ただまぁ、こう書いてて思うのは、プログラムにできる事は情報の最適化に過ぎないのであって、既存のものを整理統合して見せてあげるだけって感じもするな。結局何かを生み出すわけではないんだよね。そう考えると「編集」っていう言葉には情報の取捨選択、整理統合っていうイメージが強いけど、どこかでなんか付加価値つけて、新しいものを生み出しているんですね。まぁそれはそれとしても、グーグル凄いです。とにかく既存のビジネスをぶっ壊して、気づかぬうちに世の中をがらっと変えて欲しい。気分良いだろうなぁ、と羨ましくなりますが、どうも企業としていい加減な部分もあるっぽいので、自らの影響力を鑑みてそう言うところはしっかりして欲しいな、と思ったりもします。

 
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)