江戸川乱歩江戸川乱歩全集2 パノラマ島綺譚』(光文社文庫
ミステリー評論家とかいう人に言わせると乱歩の怪奇趣味とかは飾りで本質は別なんだって。友達になれないなー。「空気男」は記憶が朧げになってしまう恐怖を描いたもので傑作になりそうな予感がするのだけど途中で断念されている。自分の記憶が自分で信じられなくなる事ほど恐ろしい事はないと思うのだけど。「一寸法師」は最後に二転三転した上での結末の余韻の持たせ方が印象的。最後にギュッと技巧を詰め込んだ感じ。「湖畔亭事件」の覗き見趣味や「パノラマ島綺譚」のパノラマ、など乱歩的なものが満載の巻だった。長篇でもなかなか読ませる。

 
江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚 (光文社文庫)