ルパン三世2ndTVシリーズ 24』
139〜144話。後半のクオリティは少しずつだが上昇気味か?1980年のモスクワオリンピックを題材にするなど時事ネタも散見されるようになる。「狼は走れ豚は転がれ」ではグルメな敵キャラに対してルパンがグルメとかに夢中になってると豚みたいに太ってそのうち転がるしかでき無くなるぞ、みたいな事を言う。これって80年代の浮ついた世の中への警告ですよね。時事に敏感になって時代を呼吸するルパンへ。そして、ついに、次の巻は名作の誉れ高い第145話「死の翼アルバトロス」なのであります。
ルパン三世2ndTVシリーズ 第145話 死の翼アルバトロス』
これだけは単独で書くしかないのであります。脚本、作画、演出は照樹務という人。これはなんと若き日の宮崎駿の変名なのだ!タイトルから容易に想像されるように、巨大な飛行機が出て来ます。宮崎駿の空への欲求は一体なんなんだろう?彼が輝いていた頃の作品は、大抵、思いっきり空を飛んでいることにこれを見て気づいた今日この頃。「ナウシカ」も「ラピュタ」も「トトロ」も「魔女の宅急便」も「紅の豚」もそれはそれは気持ち良さそうに空を飛んでいた。最近の「もののけ姫」とか「千と千尋」とか、そう考えるとあんま空飛ばないんだよね。飛んだとしても申し訳程度で、空への欲求が前面に出ていないのよ。今回のお話では絵はがらっと変わって、カリオストロの城のルパン。そして不二子がめちゃめちゃ可愛い。放送時間の正味24分間、一瞬の無駄も無く、本当に濃密な演出。とにかく巧過ぎて溜め息が出ます。2ndTVシリーズ155話が全て宮崎駿が作っていたら最高なのに、と思ってしまうほど。1stから通算167話見て来ただけに、彼の才能の違いはすぐにわかる。実はコレ以外にも宮崎駿は数話関わっているので、今からそれが楽しみでならない。ビデオの25巻に収録されているので未見の人は是非。