内田百間集成20 百鬼園日記帖』
百間の日記。貧乏生活は時に可哀想になってくるが、どことなく滑稽。帯の一言が秀逸「すべて金のない喜劇である」

 自殺するものはあっても、眼に愛想がつきたから眼をつぶす、耳が煩悶のもとだから耳をつぶす、この手がいけないのだから手を切るというものの滅多にないのはどういうものだろう。
 
三十一より

百鬼園日記帖―内田百けん集成〈20〉 (ちくま文庫)