■
- エウヘニオ・ドールス『プラド美術館の3時間』(ちくま学芸文庫)
- 『バロック論』で知られる美術研究の大家、ドールスがプラド美術館を舞台に展開する絵画論。結構難解な著作が多いらしいけれどもこれは一般向けに非常に分かりやすく書かれていて、世界的に愛されている著作らしい。でも内容はそれなりに本格的。「支え合うフォルム」の古典主義と「飛翔するフォルム」のバロックを両端にした体系に個々の作品を当てはめ、論じていく。この本持ってプラド美術館に行ってみたくなるなぁ。諺から始まる有名な出だしを引用。三時間を観賞に当てうる生活ができたらいいなぁ、としみじみ思う。ISBN:4480083871
春眠暁を覚えず、と諺にいう。生活がさして苦しくない時には、生きるということもまた楽しいことである。例えば、まるまる三時間を美術作品の観賞に当てうるとすれば、それは眠りにも優る営みであり、生に優る喜びである。
- 夏目漱石『夏目漱石全集1 吾輩は猫である』(ちくま文庫)
- 長らく積読状態だったがついに読了。前半と後半の雰囲気が全然違って、文明批評みたいな雰囲気をもって来る。でも正直長くて飽きる。あと初めての乱丁本だった。ちょっと楽しい。