マルグリット・ユルスナールハドリアヌス帝の回想』(白水社
アカデミー・フランセーズ初の女性会員ユルスナールの代表作。ローマの皇帝ハドリアヌスが自らの生涯を回想する、ただそれだけなのだけど、どうしてこんなものが書けてしまうのかびっくらこいた。作者自身、何度も挫折しながら、腹案から完成まで何十年とかかった著作。読むというよりハドリアヌスの声に耳を傾けるといった趣き。

  
ハドリアヌス帝の回想 (ユルスナール・セレクション)