溝口健二『赤線地帯』
この作品が自分が初めて見た溝口作品だったな。そして溝口健二の遺作。それだけに印象も強烈で、BGMにはテルミン使っててなんか凄く妖しいことになってるし、吉原で働く女達の悲哀がもの凄くて、ことごとく不幸になっていく様はここまでやるか、と圧倒されてしまう。若尾文子はやっぱ綺麗。画面映えするなぁ、と惚れ直してしまった。一番ゾッとするのは、吉原で働いてでも必死に育てた子供に捨てられて気が狂ってしまう夢ちゃんのお話。発狂する瞬間の表情には鬼気迫る物があります。傑作。