鷲田清一『<想像>のレッスン』(NTT出版)
久しぶりにこの人の本を手に取ってみた。この本は細かいエッセイの集積って感じで気楽に読める。やっぱちょっと無理してでも「ジンガロ」は見に行っとくべきだったかもしれないなぁ、と激しく後悔。

想像力というと、よく論理的な思考と対比される。空想や夢想はそうなのだろうが、想像力は違う。眼の前にあるものを足がかりとして、眼の前に現れていない出来事や過程をのびやかに想像すること、あるいはそれを論理的に問いつめてゆくこと。これは、科学や宗教や芸術、あるいは政治や倫理や(他人への)思いやり、それらのいずれにおいても根のところで働いているはずの、わたしたちの力だ。
 
「見えないものを見る」より P.27

 
〈想像〉のレッスン NTT出版ライブラリーレゾナント015