康芳夫『虚人魁人 康芳夫』(学研)
康芳夫とは何者か?国際暗黒プロデューサーである!インディ500も、モハメド・アリも、トム・ジョーンズも、初めて日本に読んだのは康芳夫なのだ。他にもネッシー捕獲大作戦をしてみたり、極真空手VS人食い虎とか企画してみたり、『家畜人ヤプー』の出版をプロデュースしてみたり。時には大ボラを吹きながら虚業に邁進した男。その語り口は胡散臭い所も多くあるのだけど、康芳夫は胡散臭くて良いのである。アシスタント時代のテリー伊藤に強烈な影響を与えていたり、オウムの麻原がまだオウムを作る前に彼の所へ出入りしていたり・・・。どこまでホントかわからない虚実ないまぜのめくるめくビザールな世界。ビザールなんて単語久しぶりに使ったぞ、って感じですが。でも大げさに言っている箇所はありそうだが、まったく嘘ついているというわけでもなさそうな所がまた魅力。また数々のイベントを仕掛けていく中で大衆の心理を見事に操り、話題を作っていくその仕掛け方には脱帽です。

 
虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝