ローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ 上』(岩波文庫
ジョイスやフォークナーなどよりも遥かに早く、「意識の流れ」を感じさせる文体で書かれた奇抜な本。本来冒頭にくるべきはずの作者の自序が上巻の後半いきなり挿入されていたり、まっ黒のページがあったり、マーブル模様のページがあったり。内容はトリストラム・シャンディの自伝と言うことになってはいるんだけど、回想シーンは脱線に脱線を重ね、上巻が終わってもまだ生まれてこない。内容も形式も、とにかく奇抜。残念ながら、長らく絶版中。